被災日記その5 ネットへの書き込みより
- 1995.1.25
-
今回の大地震は、イベントだグルメだと浮かれていた神戸市と、その尻馬に
乗っていた私自身の生活態度にたいする天罰と受けとめています。5000人以
上の犠牲者はあまりに重いけれど、明日から、また私たちはこの町を何とか
しなければなりません。
神戸の中心部にはあれだけのビルがありながら、地下に大きな防火水槽を備
えたものはほとんどなかった。あったとしても、古いもので地震で破れて使
いものにならなかったといいます。聞くところに依ると、福岡市などは渇水
対策と、防火のため、市中心部の新築ビルには必ず大きな防火水槽を設置す
ることが条例で決まっているとか。神戸市も観光と開発で蓄積した資本を少
しでもそのような方向に投資していれば、今回の災害も少しはましだったの
ではないでしょうか。また市当局を覆う官僚主義もちょっとひどいようで、
「ここは、あなたの住所の避難場所ではない」と救援物資をもらえなかった
人の話も聞きました。
- 1995.1.28
- ●みなさん ありがとうございます
色々な人たちに、災害救助や、その他さまざまなサポートをしていただき、
大変心強く思います。被災地に住む一人として、みなさんに、心からお礼申
し上げます。ありがとうございます。
東灘区深江の町の方も何とか倒壊家屋の撤去も始まり、阪神高速の倒壊部分
の解体も進んで、ようやく復興の第一歩にかかり始められそうです。私自身
も先週木曜日より会社に行くことが出来るようになりました。地震直後の精
神的ショックから、ようやく立ち直ってきた感じです。被害はいまだ大き
く、大変な状況に変化はありませんが、みながんばってやっていこうと思い
ます。
●ハムの方は
肝心なときは停電で通信できませんでした。バッテリーは懐中電灯とラジオ
用にとっておかなければならないし、430のFMメインチャンネルもいつものよ
うに妨害が多くて使えませんでした。無線のパケット通信の様なことをやっ
ていれば、もっと情報を流せたかもしれませんが、いかんせん電源を止めら
れたらつらいですね。
- 1995.2.4
- ●リゾートが流れ着いた!
今日も深江の岸壁まで、給水船に水をもらいに行くと、なんとその隣にホテ
ルが停泊していた。「船でお風呂に入れるらしい」という噂は聞いていた
が、まさかこんなゴーカな水上ホテルがやってこようとは。新聞記事による
と、普段は赤穂のほうで営業しているのを、災害救援のためにもってきたそ
うな。やっぱり、海はすごい。普段は殺伐とした貨物埠頭に突然現れたリ
ゾートに浦島太郎の様な気分でした。24時間営業というので、明日の朝には
一風呂浴びに行こうかと思ってます。
- 1995.2.11
- ●被災日記その後
今も、私の住んでいるマンションは水道もガスも出ず、週末には1週間分の水
を岸壁の給水船からもらってきて、会社から借りてきた投げ込みヒーターで
風呂を沸かしています。残り湯で洗濯して、毎日顔を洗うのに使って、最後
にトイレに流す水にします。食器は紙で拭くだけにして、出来るだけ水を使
わない生活を心がけています。水に苦労するのは、去年の夏、節水をしな
かった報いかもしれません。
自治会で配給してくれる援助物資にハングル文字の書かれたチョコレート
(ロッテとだけカタカナで書いてある)がありました。同じくハングル文字
の書かれたツナ缶も頂いたと貴巳子さんが言っていました。近隣の諸国の
人々の真心をありがたく感じました。
先週末、父親にスーパーカブを借りて、長田区の知人のところまで行ってき
ました。神戸市内の道路はずたずたで、あっちこっち迂回しながら、行きま
した。三宮の被害はやっぱりひどくて、知らない街になってしまったかのよ
うでした。そごうの本館ビルは複雑な壊れ方をしているし、その昔、会社訪
問に行ったことのある三宮ビル北館は途中の階が潰れて歪んでいるし、セン
ター街も一部アーケードが落ちているとかで、覗いたら暗かった。店もやっ
てないのに、人通りはやたら多くて、それもリュック担いで帽子をかぶった
「被災地の歩き方」してるような人が目立ってました。地元の人の中には不
愉快だと怒っている人もいたけど、まあ、確かにこんな光景は滅多に見れる
ものではないし、これを見て帰って色々援助や募金をしてくれる人も多い
し、いいんでないかな、と思います。
●インターネットの震災情報はすごい
この前、新聞で読んで、アクセスしてみてびっくりしました。被害状況の画
像から余震分布地図、衛星からの上空写真、道路情報、各機関の被害状況な
ど、まさに情報てんこもりでした。私にとっては、余震情報が大変役立ちま
した。これのおかげで、客観的に状況が見れるようになった様な気がしまし
た。このような情報に世界中からアクセスできるとは、やっぱりインター
ネットはすごい。このような情報を即座に入力し、整理しているボランティ
アの人もえらい。
宮本敦夫のホームページに戻る
次1995.3.14までを読む